むかし なきむしかみさまが むかし なきむしかみさまが
あさやけ みて ないて かなしくても ないて
ゆうやけ みて ないて うれしくても ないて
まっかな なみだが ぽろん ぽろん すっぱい なみだが ぽろん ぽろん
きいろい なみだが ぽろん ぽろん あまい なみだが ぽろん ぽろん
それが せかいじゅうに ちらばって それが せかいじゅうに ちらばって
いまでは ドロップス いまでは ドロップス
こどもが なめます ぺろん ぺろん こどもが たべます ちゅるん ちゅるん
おとなが なめます ぺろん ぺろん おとなが たべます ちゅるん ちゅるん
まど・みちおさんはその痩せ加減といい、雰囲気といい私の父に似ていたナ。
亡くなったと聞き、取り出した詩集。
やさしい言葉ばかりが並ぶ詩はどこかユーモラスで
なのに、世界のすべて(自然や生き物や日常の些細なことも)の在り方がつまってる。
難しいことをこんな風に表現する人は素敵だと思う。今夜また読もう。